ブログをご覧の皆様こんにちは。仲光和之です。
前回の第1話で、事業承継をやる意味やその時期についてお話しました。
第2話では、「何を承継するの?」と題しまして、
事業承継の全体感についてお話ししたいと思います。
『事業承継』ってそもそもなに?
「事業承継」という言葉に明確な定義はありませんが、はっきりと言えることは、
単なる『後継者確保』や『相続税対策』だけではないということです。
言葉の通り、「事業」を「承継」するわけで、その「事業」の構成要素としては、
経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」や「情報」「ノウハウ」など
様々なものが挙げられます。
中小企業白書を参考に、承継すべきものを大別すると、
『人(経営)の承継』
『資産の承継』
『知的資産の承継』
このようになります。
出典:2017年版中小企業白書(中小企業庁)
①人(経営)の承継
この部分はとても理解しやすいと思います。
表中にも記載していますが、経営権、つまり後継者への経営権、株式の承継と考えてください。
まずは誰にどのように承継させるのか、ここはスタートラインになります。
一般的に事業承継の類型としては、
親族(主に子供)への承継
自社内(役員、従業員)への承継
社外への譲渡、M&A
この3つに大別できます。
自社の状況を考えて、どれを選択するかによって、
対応、準備は大きく異なってきます。
この辺の具体的なお話については、もう少し回が進んでからお伝えしたいと思います。
②資産の承継
「モノ」や「カネ」と言った財産の承継のことです。
税金対策もさることながら、資産の所有者が誰になっているか、
不動産の賃貸者、賃借者の名義にはどのような人がいるか、
担保や保証がどのようになっているのか等々、
後々に問題を引き起こしかねないポイントは多々あります。
各資産にまつわる関係者を洗い出し、関係法令に則った対応、ケアが
必要になってきます。
③知的資産の承継
「情報」「ノウハウ」といった目に見えない資産、強みの承継のことです。
「知的資産の承継」こそが事業承継が単なる「相続」ではない最大のポイントです。
それはなぜかと言うと、後継者が事業を継続、成長させていくために必要なものだからです。
中小企業は得てしてその社長、創業者個人が強力な強みを持つ場合が多く、
人脈やノウハウをなかなかスムーズに後継者に引き継げなかったりします。
ですので、時間をかけ長期的計画のもと承継を進め、
後継者が安定したスタートを切ることができ、また新たな時代に向けた経営革新を推進できるような
環境を整えなければいけません。
これら①②③にバランスよく対応していくことが、事業承継を成功させるポイントです。
特に③については、とても手間がかかり後回しにされがちなので、
計画的に進めていくことが重要です。
次回、第3話では、統計資料を参考に、事業承継を取り巻く環境についてお話ししたいと思います。
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仲光 和之
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