■在庫って必要?

モノを取り扱う商売において「在庫は悪だ!」ってよく言いますが、なんで「悪」なのか考えたことありますか?というか、在庫は本当に悪なのでしょうか。たとえば売れ筋の商品の場合、在庫がなくなったらお客様に売れなくなりますよね。そうすると当然失注につながり、この場合は在庫が無いことが悪となります。逆に在庫が余っている場合、売上につながっていない仕入れ商品の分だけお金が出ていくことになりますので、こちらも好ましくありません。

こう考えると、単に在庫が悪なのではなく過少在庫・過剰在庫が悪なのであって、在庫をひとくくりに「悪」とするのはかなり乱暴です。在庫は自分でコントロールしてこそ、何よりも自分の助けになってもらえるものということを頭に入れておくと、いざというときに役立ちますよ。

■在庫のコツと優先順位

売るための商品を在庫する場合、当然売れ筋の商品を多く置いておきますよね。そしてあまり売れない商品は少なめに…。

飲食店を例にすると、食材の使い方によっては違う料理に同じ食材を重複させられるものが多々あります。生鮮食品など保存がききにくい食材の場合、使うシーンや引き出しを増やすことによって在庫を余らせにくい状況を作ることができたりもしますよね。このような、使う頻度が高いモノは、特に重点的に管理する必要があります。

他方、あまり売れない商品について、管理を煩雑にするのは得策ではありません。その商品の取り扱いをやめるのも一つの選択肢ですが、売れないとはいえ戦略的に残しておくこともあります。そのようなときは売れる商品よりも管理を容易にして、取扱商品全体の中で管理のバランスを調整するのが重要です。

生鮮食品などは特にお客様から見た場合、製造日が新しいほうが好まれるのは当然です。自分たち(売る側)の都合ももちろん無視するわけにはいきませんが、お客様のことを考えてより良い商品を提供すると考えると、適正在庫をより良い状態でキープすることが、いかに大切かが見えてきます。

 

モノの重点管理。自分たち本位になっていませんか?自社の商品をきちんと管理できているか、今一度見直してみてください。

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羽石 欣司

飲食店コンサルタント。中小企業診断士・調理師。 料理人をしていた経験から、現場の実態に即した飲食店支援を心がけています。

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