ブログをご覧の皆さまこんにちは。

中小企業診断士・事業承継士の仲光和之です。

事業承継に関する連載も7話目になりました。
第1話で、事業承継をやる意味やその時期について、
第2話では、事業承継の全体感について、
第3話では、事業承継の現状について、
第4話では、実際に事業承継を進めていく際の手順、ステップについて、
第5話では、手順の第1段階である「経営の見える化」のうち、「資産の見える化」と「財務の見える化」について、
第6話では、「経営の見える化」の続編として、「事業の見える化」についてお伝えしました。

今回の第7話と次回第8話の二回に分けて、手順の第2段階である「会社の磨き上げ」についてお話したいと思います。
今回は「会社の磨き上げ」の全体像についてです。

「会社の磨き上げ」ってどういうこと?

「会社の磨き上げ」とは、経営者が「こんな会社になっていたい」と思う将来像に近づける作業のことです。

もう少し具体的に言うと、他社に負けない「強み」を強化したり、
業務効率の良い体制を作ることなどが考えられます。

例えば、
・徹底したコストダウンを行うことで利益を増やし、競争力を高める
・出た利益で借入金の返済を進める
・不採算事業から撤退し、競争力の高い事業に経営資源を集中投下する
・全従業員参加型の会議を行うことで、従業員の主体性を育むと共に、モチベーション向上を図る
などなど、考えられる例はたくさんあります。

 

このような磨き上げにより、低迷する業績が回復、または事業基盤が安定すると

後継者が安心して会社を引き継ぐことができる
引き継いだ後も安心して経営に専念できる

ようになります。
事業承継をスムーズに進めるために、「会社の磨き上げ」は欠かせない作業です。

ではどうやって進めればいいのか?

会社を磨き始める前に、まずは会社のどこに「強み」や「弱み」があるのかを
把握しなければいけません。

そうです。
そのために第5話第6話で経営の「見える化」についてお話したわけです。
特に第6話の「事業の見える化」が重要になってきます。
「事業の見える化」を通じて、会社の現状をきちんと把握しましょう。

では「事業の見える化」が終わったとしたら、次は何に手を付けるべきでしょうか。

以下に、事業の競争力を上げる「攻め」と運営体制を整える「守り」の切り口で整理した図を示します。
考え方の一例として参考にしてみてください。

「強み」を更に強化するという考え方もありますし、「弱み」を克服したい、それを「強み」に変えたいと
いう考えた方もあると思います。

たくさんやるべきことがあって、何からやればいいのか迷うかもしれませんが、
その時は冒頭にお伝えした、こんな会社になっていたいと思う将来像意識することです。
(とはいえ、財務的に赤字であればその対策など、将来に向けた取り組みより優先してやるべきこともあると思います。)

計画的に「会社の磨き上げ」を行い、後継者が安心して引き継ぐことのできる会社に仕上げていきましょう。

次回は磨き上げをサポートしてくれる公的機関、窓口のご紹介など、
「会社の磨き上げ」について、もう少し踏み込んだ内容をお伝えしたいと思います。

 


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仲光 和之

【(株)ソウルスウェットカンパニー代表取締役、キャッシュフローコーチ(R)中小企業診断士】 建設業(電気工事業)での現場監督や、不動産管理業で業務のIT化推進、ベテラン社員の技能承継に携わる。その後退職、独立。 現在は『ビジョンと経営数字の専門家』として、ビジョン策定、浸透に関する支援や、決算書が読めなくても一枚の図で会社のお金の流れを把握する「お金のブロックパズル」を使った支援を行っている。 また消費税軽減税率制度や段取り力向上に関するセミナーを全国各地で実施。わかりやすさと多彩なワークが好評。