質問方法を書籍で学んでも実践ではうまくいかないことがたくさんありますね。
ビジネスのあらゆる場面で重要となるコミュニケーション能力。なかでも質問は、互いの理解を深めるための重要な武器と言えます。しかし、質問を間違えると強制的な印象を与え、その結果相手を怒らせたり、困らせたりします。
質問を場当たり的にしてはなりません。目的を明確にして相手から情報を引き出したり、気づきを与えたりしながら、相手を目的へと導くのです。そのためには、質問のストーリーが頭の中に整理されていることが必要です
質問の目的とは
質問には主に4つの目的があります。
1.関係構築
2.未知情報の把握
3.啓蒙・指導
4.共考・共創
ビジネスコミュニケーションは、「1.関係構築」から始めます。関係が構築されていないのに、ヒアリングを開始してもなかなか教えてくれるものではありませんね。
人間の心理では、最初に相手が何者かわからない場合は不信の壁が築かれます。まずは不信の壁を乗り越えなければなりません。そのために、関係が進むような質問をします。
いいですか。こちらから話を延々としてはなりません。相手に興味がない話をしても相手の警戒感は高まる一方です。警戒感を取り除くためには、相手に話してもらうのが最もよいでしょう。
そして、関係ができたら「2.未知情報の把握」に進みます。ここで知りたい情報をヒアリングするわけですね。そして相手の現状が把握できます。
次に「3.啓蒙・指導」です。ビジネスでは、潜在課題を引き出し、顕在化していかなければなりません。そのため、相手に気づきを与える必要があります。これも質問で行うのがよいでしょう。
また、教育にも質問は大きな役割を果たしてくれます。「あなたは、この問題をどうしたらよいと考えますか?」
という質問一つで啓蒙になりますし、直接答えを教えなくても自分で気づくことにつながります。
最後は「4.共考・共創」ですが、このフェーズまで来るとお互いの望むことがわかり会えているはずです。
ここからはお互いにビジネスパートナーになるために共に考える段階になります。
お互いに未知なる新しいものを作り上げるために高め合いステップアップしていくことでビジネスパートナーと育っていきます。
このように質問には目的があり大きなストーリーを回していくことが大事なわけです。
書籍で解説されている理論や知識だけを習得しても、実践で失敗してしまうのは全体感を持って質問していないからなのです。
よくある悪い例では、オープンとクローズ質問。理論だけ学んでも失敗する典型です。
オープンとクローズ質問とは
クローズ質問
答えは、Yes か No か わからない
会話を絞りやすい
答えやすい
「〇〇にご興味はありますか?」
「〇〇をご存じでしょうか?」
といった質問で、相手から「はい」「いいえ」といった回答を引き出す質問です。
オープン質問
答えは、自由
会話が広がりやすい
答えにくい
「どういった分野に興味をおもちでしょうか?」
「次はどのようなことをお考えでしょう?」
などです。相手から考えを引き出す質問法です。
オープン・クローズ質問の失敗
このオープン・クローズ質問で失敗する例は、
営業:「こういった商品にご興味はありますか?」(クローズ質問)
お客様:「そんなこと急に言われても、よくわからないから答えようがないよねぇ」
というように「はい」や「いいえ」で返答されないことが実際の場面ではあります。
営業:「いま、困っていることはなんでしょうか?」(オープン質問)
お客様:「なんであんたに答えなければならないの?」
お客様の不信を取り払わなければこのように怒られてしまいます。
オープン・クローズ質問の理論だけを学んでも想定していない反応が返ってくるのですね。
実践では、ストーリー化してクローズ質問とオープン質問を組み合わせて質問することが有効です。クローズ質問で反応を確認し、オープン質問で相手の考えを引き出す。
こういった組み合わせが実践では重要なのです。
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高橋 光久
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