経営をしていて、意外と軽視しがちなことがあります。
成果を期待することは、経営では非常に重要なことです。
しかし、成果を期待する一方で、成果を生み出すための能力を軽視しているケースも多いと感じます。

ちなみにこの記事は、「7つの習慣」(スティーブン・R. コヴィー)に書かれている、P(成果:Performance)とPC(成果を生み出す能力:Performance Capability)のバランスである「P/PCバランス」を切り口に、私が感じていることを書いています。
7つの習慣

amazon.comより画像を参照

 

PとPCとバランス

P/PCバランスは、図にすると以下のような感じになります。
PCには主に、物的資産、金銭的資産、人的資産があります。

※7つの習慣(旧版)とは画像イメージが異なります。

 

なにはともあれ、成果Pを生み出すには、成果を生み出すためのPCが必要です。
経営における成果を生み出す能力PCには、以下のようなものがあります。

物的資産
  • 商品・製品
  • 原材料在庫、仕掛品在庫、商品・製品在庫
  • 土地
  • 建物、テナント、部屋
  • 設備、備品
  • 車両
金銭的資産
  • 売上高
  • 利益
  • 運転資金
  • 設備資金
  • 現金・キャッシュ・資金、資金繰り
人的資産
  • 人数、人手
  • 専門性、能力、ノウハウ
  • やる気、モチベーション
  • 定着率
  • 組織体制(組織、階層、責任権限、コミュニケーション)
  • 人事制度(採用、配置、評価制度、能力開発)

 

しかし、様々な企業の経営者にお話を聞くと、成果Pと成果を生み出す能力PCのバランスが取れていないことが多いと感じます。

 

人的資産が原因でバランスを崩しているケース

  • 人手不足で業務が回らない
  • 能力開発を継続に行っていないことなどによる専門性のある人材不足
  • 能力はあるものの適正配置がされておらず真剣になれない人材
  • 評価制度がない、評価制度が不公平なことにより不満を感じる人材
  • 責任以上に権限が低く、モチベーションが低い人材
  • 部署間の情報共有がされていない、連携の取れない状況

こういった企業では、人的資産を軽視したことが成果を発揮できない原因なのに、従業員が働かない、人がすぐやめる、能力が足りない、あの人は話を聞かない、などの愚痴を聞くことが多いと感じます。

金銭的資産が原因でバランスを崩しているケース

  • 売上が上がらない、利益が出ない
  • 売上や利益は出ているのに運転資金がショートしそう。
  • 多店舗展開した結果、資金繰りが大幅に悪化した。
  • 税理士や妻に経理を任せている、自分は金銭以外の部分の経営に集中したい。

こういった企業では、経営者の金銭への知識不足や、予実管理、資金管理、更には無計画な状況での見切り発車などが原因ですが、気が付いた時には大抵にっちもさっちもいかない状況に追い込まれていて、改善に苦労することが多いと感じます。

 

物的資産が原因でバランスを崩しているケース

  • 製品在庫や商品在庫が多い、管理されていない、データ化されていない
  • 歩留まりが悪いので在庫を多く抱えている
  • 事業に関係ない不動産を持っている
  • 使っていない設備がある
  • 高級車をもっている

こういった企業は、売上高・利益が成長、安定している企業に多いと感じます。表面に現れない原価・経費などの金銭的資産の無駄づかいが多いものの、成長・安定しているため、そのことに気がつきません。しかし、ひとたび景気変動や競合店の進出などの外的要因で売上高が下がると一気に問題が噴出するので、危険予備軍と言えるでしょう。

 

成果Pの達成には、PCのバランスが大切

経営をしていると、問題・課題は毎日、山のように現れてきます。
しかし、成果Pを求めるのであれば、成果を生み出す能力PCについても、常に気を配っておく必要があります。
そして、これらの改善ができるのは経営者だけ、ということも多いです。

経営を続けることは大変なことですが、これらの努力が、悪い現状からの回復や、さらなる成長に繋がると考え、日々精進ですね。

 

The following two tabs change content below.
布能 弘一
千葉県柏市に在住の中小企業診断士。 WebやWindowsなどアプリケーション開発やインフラ環境の構築を担当。登録後、経営に関する各種執筆や、IoT・売上などのセミナー、商業やサービス業の経営支援などに従事しています。 理念は「三方よしの企業を増やす」
布能 弘一

最新記事 by 布能 弘一 (全て見る)