ブログをご覧の皆さまこんにちは。
中小企業診断士・事業承継士の仲光和之です。
事業承継に関する連載も6話目です。
第1話で、事業承継をやる意味やその時期について、
第2話では、事業承継の全体感について、
第3話では、事業承継の現状について、
第4話では、実際に事業承継を進めていく際の手順、ステップについて、
第5話では、手順の第一段階である「経営の見える化」のうち、「資産の見える化」と「財務の見える化」についてお話ししました。
今回第6話では「経営の見える化」の続編として、「事業の見える化」についてお伝えしたいと思います。
おさらいですが、前々回のブログでは会社の10年後の姿を意識しておくことが大事だとお伝えしました。
前回と今回お話しする事業承継の第一段階「経営の見える化」は、10年後に向けた一手を打つために
経営状況を明らかにすることです。
つまり、財務状況を明らかにし、目に見えない資産や強みを洗い出し、現状を把握することです。
前回は「資産」「財務」といった目に見えたり、数字に表すことができるものについてでしたが、
今回は「目に見えない資産、強み」のお話になります。
目に見えない自社の強みを再認識
10年後を見据えて事業を考えていくには、限りのある経営資源を効果的に活用して競争力を高めていくことが重要です。
スケールメリットを享受できない中小企業の場合は特に、目に見えない強みが会社の競争力を支えていると言っても過言ではありません。
この「目に見えない強み」は一例ですが以下のようなものがあります。
【人材】:志や目的意識、能力をもった人材を確保しているなど
【技術】:他社がマネできない生産技術や、群を抜いた高い生産性など
【組織力】:中長期な経営目標が浸透している、情報・ノウハウが共有されているなど
【顧客】:ロイヤルカスタマー(企業に信頼感を感じ、継続的に購買をし、他顧客へ宣伝をしてくれる)がいるなど
【ブランド】:高い知名度、社会的信用など
こういった「目に見えない強み」「目に見えない資産」は「知的資産」とも呼ばれ、経済産業省のHPでも様々な情報発信がされています。
(出典:経済産業省HP 知的資産経営ポータル 知的資産・知的資産経営とは)
http://www.meti.go.jp/policy/intellectual_assets/teigi.html
こういった経営資源をしっかりと見直し、10年後に向けて何を磨いていくべきかを見極めていくことが重要です。
また一方で自社に不足していること、ウィークポイントも見えてくると思いますので、課題として整理し、次の「磨き上げ」のステップに備えましょう。
自社を分析する方法
自社を分析する手法は数多くありますが、その一つとして、経済産業省が策定した「ローカルベンチマーク(通称:ロカベン)」というツールがあります。
このロカベンは、企業の経営状態の把握、企業の「健康診断」を行うツールとして公開されています。
http://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/
定量情報(財務情報)だけでなく、定性情報(非財務情報)も用いることで、その企業の事業性評価ツールとしての活用が期待されています。
同業他社との財務指標の比較も可能ですが、定性情報の入力もしっかり求められますので、自社の事業を見直すにも良いと思います。
一度ご参考にされてはいかがでしょうか。
次回から、「事業の磨き上げ」についてお伝えします。
次世代への事業のバトンパスに向けて、自社の事業のパワーアップ、革新を図るフェーズです。
事業承継後の新社長が、スムーズに経営をスタートできるかは、ここにかかっているとも言えます。
ボリュームのある内容になるので、こちらも複数回に分けてお伝えしたいと思います。
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仲光 和之
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