「営業の担当顧客を変えることができない」
よく聞きます。
特に地方では。
担当変更ができない理由
1.営業が育っていないので任せられない
2.顧客が現担当でなければ困ると切願されている
3.現担当が顧客のことを顧客以上に知っているので細かい情報などは引き継げない
というものがベスト3でしょう
一言でいうならば「売上が落ちる」かも。ということです。
この問題には多くの原因が含まれています。
例えば、
・営業が育っていないのは、育成を計画的にしていない
・顧客から現担当の継続を希望する場合、効率的な良い効果がある反面、顧客の言いなりになり便利屋として使われている
・情報の引継ぎができないのは、情報共有手段が仕組としてない
これらの原因が複雑に絡み合います。そのため、簡単に解決することは難しいでしょう
14年間営業組織の変革に携わってくると、このような理由は表面上の言い訳に過ぎないと感じています。
立派な理由です。しかし、その理由のもっと深いところにある本当の原因があります。
営業が担当変更できない本当の原因
誤解を恐れずに一言で言うと
「営業自身の価値が下がる」から
顧客と長い付き合いをしていれば寄り添う関係になってきます。売上を作りやすくなります。
地方のトップセールスから聞く武勇伝は
「俺が顧客に言えば案件は出てくる」
これはすごい! また、楽な営業ですよね。とても効率的です。
悪く言えばスーパー御用聞きセールスです。
楽な上に売上もある程度見込めます。そんな顧客を離したくありません。
そういった顧客を数件持っていれば、毎月の売上は確保されます。
売上がトップであれば、社内での発言権もあり、尊重され一目置かれる人物になります。
営業会議では、重要な存在として意見を求められます。仕入れ先からはキーマンとして認識され時には過剰な接待を受けています。社長も辞められると困るので顔色を伺い本音でモノがいい難くなります。
特別な存在となるとプライドは比例して大きくなります。
その姿を見ている周りの社員も「売上を上げないと立場が弱くなる」と感じてしまいます。
この経験を積んだ営業は売上がすべてと勘違いします。
勘違いさせているのは、実は会社の評価の仕組みが売上主義だからです。
もっと言うと社長がそうさせています。
社長が売上主義なら間違いなくトップセールスほど発言権が強いです。
課題は売上主義をやめる
売上は絶対に必要です。売上がいらないなんて馬鹿なことを言うコンサルはいないでしょう
しかし、一番大事にしなくてもいいです。
そんな馬鹿な。何言ってんの? とお思いかもしれません。
顧客の担当営業を変えるということは、売上主義よりも重要なことを一番に持ってこないといけません。
一番は間違いなく、「人材育成」です。
少し見方を変えると
売上重視は、短期的施策
人材育成は、長期的施策
短期と長期戦略を分けて取り組む必要があります。
人材育成は、長期に安定した売り上げを上げるための手段となります。
長い目で見ればどちらも売上を上げるための取り組みになるわけです。
長い施策はどうしても後回しにされてしまいます。
だからこそ、今。まさに今から取り組まないといつまでたってもできません。
少し長くなったので、つづきは次回。
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高橋 光久
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