先日、社会保険労務士向けに「理念とビジョンに関する」セミナーを行いました。
社労士にとって理念やビジョンはあまり関係ないものと思っていましたが、そうではない方もいらっしゃることに少し驚きました。
毎日、就業前に社訓を読み合わせている企業もあるようです。また、理念やビジョンを浸透させるためのプロジェクトに関与する方もいらっしゃいました。
参加者から次のような意見がありました。
・「理念を毎日言わされている」
・「やらされ感があります」
・「理念を社員に広めるプロジェクトをしていますが、何度かワークをやっても浸透しない」
なぜ、このような意見が出てくるのでしょうか?
それは「他人事」だからです。
会社のTopが決めた理念・ビジョンは会社のもの。それが達成されたとしても還元されるのは会社と考えられているようです。
経営者が理念・ビジョンを作るのは、達成に向けて社員一丸となってもらいたいためです。
経営者の中には、「社員が成長することこそが企業が成長することである」と考える方が多いです。
しかし、社員にとってはあまり関係がないこと。朝礼などで復唱していることはやらされていることなんでしょうね。
同じ会社で働いているのに、想いがずれています。
会社の理念と社員自身の想いがシンクロしていないのでしょう。
会社の理念・ビジョンが真に浸透するには、会社側が強制的に刷り込みをしても浸透しません。
社員が自ら必要性を感じなければ、浸透するはずがありません。だから、復唱などしてもやらされ感が残るのでしょう。
では、どうしたら社員か自発的に理念・ビジョン達成を目指すようになるのでしょうか?
それにはまず、社員自身が幸せになることを考えることが大事です。
なりたい自分(理想像)と、理想の自分になった時に訪れる幸福を具体的に想像することです。
「なりたい自分に成長するための舞台」=「会社」と考えてもらうのが先決です。そして、働くことを通して会社と共に成長し、自分の想いを実現することを実感してもらうのです。
人は、独りでは幸せになれません。なぜなら人に認められたり、喜んでもらえたりすること、つまり貢献感こそが、幸福感だからです。
よい働きをすることでお客さまに貢献できてお客様から喜ばれます。さらに、周りの社員やその家族、そして会社に貢献することで周囲の人から感謝されます。そうして地域への貢献と繋がっていくのです。
会社の理念に共感し、自分が成長し幸せになるためと考え、行動を変えることで初めて理念が意味を持つことでしょう!
そのための手順は次をお奨めします。
1.ありたい姿を築く
理念・ビジョンを見直し社員が共感できるように再度明文化する
2.社員が自身のなりたい自分を創造する
なりたい自分を明文化し、会社のありたい姿との繋がりを明確にする
3.会社のありたい姿と現状を比較して問題点を洗い出し、課題を見出す
4.課題に対して解決策や行動を社員が考える
5.決めた行動を実行しやり切る
1は経営者が行います。2~4は社員が作成します。5は全員で行います。
こうして全員で考えることにより理念が浸透し、ありたい姿の実現に向けて会社が変わっていきます。
会社の理念を自分のこととして捉えて、行動指針にして行動を変えていくことができて、初めて理念が意味を持つことでしょう!
個人のありたい姿を実現するにあたり、会社を通して実現に向けた働き方をすることがとても重要なのです。
自社でできなければご支援いたしますので、お気軽にご相談ください。
高橋 光久
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