前回の記事では、働き方改革の取り組みの現状について紹介しました。
今回の記事では、私の周囲の経営者を中心に、働き方改革に関する取り組みの事例を取り上げ、そこから見えるものについて書きたいと思います。特に、前回の記事でも取り上げた、中小企業において取り組みが遅れている傾向にある『副業・兼業の容認』『在宅勤務』『サテライトオフィス』といった観点で紹介します。
働き方改革で人手不足・リソース不足を解消している事例
副業の推奨による従業員育成
多くの企業は副業を禁止していますが、それとは逆に副業の推奨制度を導入している企業もあります。
副業による副収入が目的ではなく、従業員自らが主体的に推進できる事業を社外に求め、活動することを企業が推奨しています。
その企業側のメリットは、教育研修コストを削減しながら、経営者としての視点・能力を育成できることです。
企業内の業務においては、与えられた役割を推進することが第一に求められます。
副業の推奨制度は、社内では与えることができない経験を、従業員が自律的に得る機会を設けられるのです。
在宅勤務制度の導入による人材の活用
在宅勤務制度を導入した企業では、従業員間で顔が見えない事への不安を軽減するため、併せてビジネスチャットツールなどのITツールを導入するケースが多くあります。
ですが、その前に業務プロセスの改革をより重視することが、在宅勤務を成功させることでの重要なポイントとなります。
具体的には、就業規則の改定を実施するとともに、書類の電子化や遠隔会議の採用、業務手順の見直しをしました。
これらはシステムの導入は難しくないものの、「対面することの重要性」「紙の利便性」といった、既存の風習であったり常識であったりと向かい合って進めていくことが必要になります。
特に年配者や長期勤務者を中心に抵抗勢力となりやすいですが、粘り強く話をし、具体的なメリットを見える化すること、及び、トップの強靭な意志を示すことが重要です。
この会社の場合では、在宅勤務で可能な業務範囲を増やし、出産・育児などのライフイベントでの離職の削減、休職した社員の円滑な復帰や早期戦力化といった在宅勤務のメリットを享受できました。
サテライトオフィスの活用
サテライトオフィスとして、地方の古民家を活用する企業もあります。
地方の古民家に従業員を派遣し、密度の濃いミーティングや研修などのプロジェクト推進と従業員のリフレッシュの両立に取り組んでいます。
特に、場所を選ばない働き方が比較的容易に採用できるIT企業を中心に導入が進んでおり、徳島県神山町を筆頭にいくつかの地域では官民連携して古民家サテライトオフィスのインフラ整備を推進しています。
これらの事例から、働き方改革に関する取り組みは、中小企業においても適切に行うことで様々なメリットが得られることが分かります。
特に、人手不足に悩む中小企業・小規模事業者にとっては、取り組む価値のある活動であるといえます。
また、それらの企業は新たな活動に投入するための経営資源が充分に無いケースが大半です。
そこで、次回では働き方改革の推進にあたり活用できる公的支援制度を紹介したいと思います。
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