ブログをご覧の皆さまこんにちは。

中小企業診断士・事業承継士の仲光和之です。

事業承継に関する連載も5回目となりました。

第1話で、事業承継をやる意味やその時期について、

第2話では、事業承継の全体感について、

第3話では、事業承継の現状について、

第4話では実際に事業承継を進めていく際の、手順、ステップについてお話ししました。

そして今回第5話では、手順の第一段階である「経営の見える化」について

お伝えしたいと思います。

 

前回のブログでは会社の10年後の姿を意識しておくことが大事だとお伝えしました。

今回お話しする事業承継の第一段階「経営の見える化」は、10年後に向けた一手を打つために

経営状況を明らかにすることです。

つまり、財務状況を明らかにし、目に見えない資産や強みを洗い出し、現状を把握することです。

 

もう少し端的に言うと、

・資産の見える化

・財務の見える化

・事業の見える化

と考えることができます。

 

「資産の見える化」を行う意味

ここで考える資産は、固定資産と自社株式(純資産)です。

まず固定資産で考えるべきことは、その資産が会社所有なのか個人(社長等)所有なのかを

明確にすることです。

特に中小企業は、社長個人の資産を会社経営に利用していいる場合が多く、

時間の経過とともにその所有者や賃借関係があいまいになりがちです。

また社長個人の不動産等資産を、会社借入に係る担保に設定している場合もあります。

会社事業を承継するにあたり、会社資産と社長個人資産の関係を明確にすることが重要です。

 

自社株式については、株主がだれで、その価格がいくらになるかを把握しておくことが重要です。

設立間もない会社であれば株主がだれであるかは明確ですが、平成2年以前の旧商法では

株式会社の設立に発起人が最低7名必要だったため、歴史のある会社の場合は、

親戚等の名義を借りる形で設立、その親戚が発起人に名を連ねている場合があります。

その後名義変更が適切に行われなかったり、株主名簿がきちんと記録されていないために、

どこの誰が何株持っている状態なのか、はっきりしない場合も想定されます。

株主(議決権)の把握や集約が行われない状態では、次世代への事業承継は困難になってきます。

手間のかかる場合もありますが、きちんと確認することが重要です。

 

なお株式価格について、上場していない場合は、純資産法などにより価格の算出が可能です。

かなり込み入った内容になりますのでこちらでは割愛しますが、専門家、専門機関への相談が

必要になってくるかと思います。

 

「財務の見える化」を行う意味

「財務の見える化」とは適切な会計処理を通じて、客観的に財務状況を明らかにすることを指します。

このことにより、銀行や取引先からの信用度もUPし、資金調達や取引を

円滑に行うことが可能になります。

通常より実施されていることではありますが、事業承継後にあいまいな、不適切な処理等が

発見されると、後継者並びに自社の将来に悪影響を及ぼす可能性もあります。

適切な指針等に則って処理されているのか、改めて確認をしておきましょう。

 

 

最後の「事業の見える化」ですが、こちらは自社の強みや弱みを把握し、

次のステップである「磨き上げ」につなげる重要な内容ですので、

次回ブログでご説明したいと思います。

 

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仲光 和之

【(株)ソウルスウェットカンパニー代表取締役、キャッシュフローコーチ(R)中小企業診断士】 建設業(電気工事業)での現場監督や、不動産管理業で業務のIT化推進、ベテラン社員の技能承継に携わる。その後退職、独立。 現在は『ビジョンと経営数字の専門家』として、ビジョン策定、浸透に関する支援や、決算書が読めなくても一枚の図で会社のお金の流れを把握する「お金のブロックパズル」を使った支援を行っている。 また消費税軽減税率制度や段取り力向上に関するセミナーを全国各地で実施。わかりやすさと多彩なワークが好評。